ラージスターンシステム

 

" 高山流水 " " 山紫水明 " " 天真爛漫 " には巨大に設計したスターンを設けています。

大きな安定性を生み出し、転覆の危険を大きく低減してくれます。


もちろん重量やパッキングサイズの面では不利になりますが ( この為、" 雲水行脚 " では不採用としました )、源流域では滝からのドロップオフ、ホールでの反転流、海ではサーフでの白波など、反転する強い力にスターンが沈み込められる場合があります。
こうなるとセルフベイラーの排水スピードをはるかに上回るスピードで水が侵入し、スターン側からバックドロップする様な形で転覆します。巨大なスターンの浮力によって、スターンが飲み込まれるのを防ぎます。

 

滝からのドロップオフやホールで後ろ向きにひっくり返る場合がある。

 

大きなスターンは水に沈む力に対し、強く抵抗する。

 


また幅が広い事でロール方向の動きに対する抑制も働きます。うっかり横向きに波へぶつかってしまうとボートは簡単に転覆しますが、幅を広くする事でこのリスクを低減します。特にバウとスターンが点では無く線でバランスをとっている事で、この安定性は大きく向上します。( この為、海での活用が多くなることが想定される" 山紫水明 " には、バウにも拡張を入れ、うねりの中でも転覆しにくい構造としています。反発が強すぎると曲がりにくくなる為、体重の軽いお子様が乗る " 天真爛漫 " では幅拡張は行なっていません。 )

また拡張された大きなスターンの内部には、当然大きな空間があります。

水はもちろん、空気すらも一切通さない " Tizip " と言う防水ジッパーを設けて開閉口を作る事で、スターンの中に荷物を入れられる様にしました。
なんと60L~80L程度の大型バックパックも飲み込んでしまう程の容量も持っています!
大きなスターンは安定性の為の設計ですが、副産的に生まれた空間も大きく利便性に貢献します。

 

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設計上強制的に船体中央部に着座位置を寄せる事になるので、前後荷重バランスの面でもメリットがあります。
特にセルフベイラー解放時はボトム面分の浮力が失われる為 ( 浮力とは、物体が水を押し除ける体積に対して発生します ) 、スターンが大きい事で後方浮力を保ち、前後荷重配分比のバランスを保てます。

圧倒的な安定感は恐怖感を取り除き、転覆のリスクも大きく低減してくれます。

山童のパックラフトを象徴する大きなスターンのデザインは、機能的に大きな意味を持ちます。