パックラフトフィッシングのアンカーについて

 

パックラフトは浮力が高く、ほぼ水面に浮いた状態のボートです。水の抵抗が少なく、船全体の多くが水上に出ているので、風の影響を大きく受けてしまう傾向にあります。これはインフレータブルボートの弱点と言えます。
特に海釣りの場合、魚がいるポイントは限られていて、そのピンポイントに仕掛けを落とすから岸からの釣りより高い釣果を得られるのであって、そのポイントを外してしまえば魚は全くいない状況になってしまいます。
釣り方にもよりますが、パックラフトフィッシングでは多くの場合においてアンカーがないと釣りになりません。

 

この日はアンカーがなくてまともに釣りにならなかった…。

 

アンカーにも様々な種類がありますが、パックラフトでは携行に便利なフォールディングアンカーが使いやすいでしょう。海底の地質にも影響されにくく、様々な地形で使用できるのも大きな利点です。

重さは1.5kgが良いと思います。フォールディングアンカー多くの場合は 700g のアンカーでも問題ないのですが、地質が砂地で風が少し出ている場合、潮流が早い場合などには流されてしまいます。
一方で2.5kgアンカーだと、引き上げがかなり重労働になります。いろいろ試してみた結果、海でのパックラフトフィッシングにおいては1.5kgアンカーを使用するのが良いと思います。
これに加えてもう一工夫しています。

 


アンカーは真横に引かれることでしっかりと効くのですが、船はうねりにより上下に動きます。アンカーロープは風に押されて常にテンションがかかっているので、うねりによる上下の動きでアンカーも上下します。これにより少しずつ走錨していきます。
これを防ぐ為、アンカーチェーンを設けます。アンカーから直接ロープを繋いでも良いのですが、アンカーチェーンがあることでアンカーの角度を保ちやすくなります。これはかなり効果が高いです!

 

 

アンカーロープの長さは概ね水深の3倍程度必要となります。パックラフトのメインフィールドとなるインショアエリア(沿岸300m~500m程度の近場)では、多くの場合において水深 20 ~ 30m 程度になると思います。アンカーロープは概ね 80m 程度あると対応できます。

 

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アンカーにも様々な種類がありますが、パックラフトパックラフトの場合は船の重量が軽いこと、積載スペースに限りがあることから、リールタイプのアンカーロープが使いやすいと思います。

ポイントの水深を把握し、その上流側に概ね3倍の距離にアンカーを落とし、再びポイント直上に戻ります。
位置がズレる場合には再度アンカリングし直しましょう。釣果に影響が出ます。

 


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固定はバウ側に行います。基本的に波は風上から風下に向かって起こるので、船体側面にアンカーロープを繋ぐと波の影響を強く受け、場合によっては転覆します。
バウ側に固定することでまっすぐ波を受けることができるので、安定感が高まります。

ただ狭いパックラフトの中でバウに固定されたアンカーロープを引き上げるのはちょっとやりにくいです。
そこでアンカーロープの途中に回収紐を取り付け、その紐をシートの近くに固定しておきます。アンカー回収事は紐を引っ張ることでアンカーロープが手元に来るので、シートから動かずにアンカー回収ができて便利です。

リールタイプのアンカーロープを使用している場合、リール本体は海中に沈めておいても良いと思います。リールの重量が船の上下の動きを吸収するので、アンカーチェーンに加えてより影響を小さくすることにつながります。

ただし釣りの後のメンテナンスはしっかりと行わないといけません。
金属部品が錆びたり、回転軸に塩が残ると動きが重くなります。バケツに真水を張り、しばらく沈めて塩抜きを行いましょう。ぬるま湯だとなお良いです。

しっかりメンテナンスすれば、わりとトラブル少なく使い続けることができます。

 

 


アンカー回収時の大きなトラブルとして、根掛かりがあります。岩の間にがっつり挟まったアンカーは抜くことができなくなります。アンカーには上部なロープが繋がっているので、諦めて切ることになると長くて丈夫なロープがずっと海中に残ることになります。

 

ロープ、アンカーチェーンは先端部に取り付ける。

 

少し弛む様にし、結束バンドでエンド部に固定する。

 


そこでフォールディングアンカーの場合、先端部と後端部それぞれに接続ポイントが作られており、一定以上の力で引っ張ったときに後端部の接続が切れて先端部から引き上げることで回収率を上げる仕組みが施されています。

 

いろいろ試しましたが、だいたい 20kg くらいの力で切れるくらいの結束バンドが良さそうです。

これより弱いと回収途中で切れてしまう事が多くなり、逆にこれより強いと切ろうとしたときにパックラフトが大きく傾いて危険です。

結束バンドが切れた場合、海中に結束バンドが残されてしまいます。鉛の塊であるアンカーや、長いロープが残置されるよりかはずっと良いですが、環境負荷を考えると可能な限り海にゴミは残したくないものです。
そこでもう一本結束バンドを使い、切れ落ちてしまう確率を下げる施策を行なっています。

 

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 鎖側、アンカー側のどちらかに、もう一本の結束バンドを使って結束バンドを固定しておきます。
結束バンドは大きの場合ロック部分から破断しますが、この様に他の結束バンドで押さえておく事で高確率で破断した結束バンドも海に放出する事なく回収できます。

この様な対策を行なっておく事で、環境に負荷を与える事なく、ほとんどの確率でアンカーは回収できます。
しっかりと対策をしておきましょう。

 

 

私の使っているアンカーも紹介しておきます。

 

アンカー:1.5kg フォールディングアンカー

アンカーチェーン:ステンレスチェーン

アンカーロープ:アンカーリールロープ83m

結束バンド:タイラップ SG-200W

 

 

もう一つ、アンカーは安全管理の上でも重要だと言えます。
海の気象は変化しやすく、想定外に風が強まる場合があります。またうっかり風予報や潮汐表を見忘れてしまう事がないとは言えません。漕ぐ力より、沖に押し流される力の方が強い場合、岸に戻らなくなる危険があります。
この様な場合においても、アンカーがあればその場に留まる事ができます。

海でパックラフトフィッシングを楽しむなら、釣果を得る為にも、安全の為にもアンカーはあった方が良いと思います。この記事の内容がご参考になれば幸いです。

 

 

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ではまた。