多くのパックラフトは紐で固定するタイプのシートを採用しています。これは重量面でやや有利であったり、コスト面で製造費用が安く抑えられるメリットがある一方で、シートの裏側が乾きにくいと言うデメリットも併せ持ちます。
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パックラフトは帰宅時に再度膨らませ、水道水で海水や河川・小沼の汚れた水を洗い流します。その上でタオルで全体を拭き、少し空気を抜いた状態で隙間まで乾かします。
この時、いつまで経ってもシートの裏だけが乾きません。またしっかり乾かしたつもりでも、シートと本体を紐で繋いでる生地と生地の間に水気が残り、ここにカビが発生します。
カビの発生はパックラフトの寿命を著しく低下させます。
かと言って、毎回紐を解くのはかなりの手間です。
山童ではベルクロ脱着式シートを採用しました。毎回シートを外してしっかり洗い、隙間までタオルドライし、しっかり乾かすことができます。またシートも洗濯バサミなどで挟んで広げて干す事で、確実な乾燥が行えます。
実際の乗船している間には役に立たない昨日ですが、帰宅後のメンテナンス性の高さも実際に長く使っていく上では欠かす事のできない重要なポイントだと考えています。この機構は大きく手間を減らしてくれます。
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ロールトップ開閉式セルフベイラーはシートの下にあるので、切り替えにはシートが取り外せる必要があります。
開けるだけなら隙間から解除する事ができますが、閉じようとした場合にはなかなか困難です。
山童の特徴的な装備であるロールトップ開閉式セルフベイラーシステムを運用する上でも、ベルクロ脱着式のシートが活きてきます!
ストレス無く、簡単にセルフベイラーを閉める事ができます。
マルチユースモデルである " 山紫水明 " においては、ベルクロでシート位置をずらしたり、必要に応じて様々なモードに切り替えられる " マルチユースコックピット " を搭載。
普段は一人乗り仕様にしておいてダウンリバーを楽しんだり、積載モードに切り替えてクーラーボックスを搭載して大型の青物を釣りに沖に出てみたり、自転車を積んで川旅 × キャンプ × サイクリングを楽しんだり、タンデムモードに切り替えて二人乗りでクルージングを楽しんだりなど、遊びの幅を大きく広げるシステムを実現!
これも、ベルクロシートシステムによって実現された新しいパックラフトの形です!!
地味で目立たない存在ですが、この些細な工夫がパックラフトの可能性を大きく広げます。
ベルクロシートシステム、すごく画期的なアイデアです。